麹菌は、お味噌をはじめとするすべての発酵食品に欠かせない重要な菌です。 また麹菌は日本独自の菌であることから「国菌」とも呼ばれています。
かつて発酵食品の蔵元では、蔵に棲みついている空気中の麹菌を採取するのが当たり前のことでした。 しかし現代では生産の安定化と効率化ために、ほとんどの蔵元が純粋培養された菌を種菌メーカーから仕入れて使っています。
純粋培養とは、特定の菌だけを単独で増やす(培養する)ことですが、その過程では、動物のエキスや化学物質をもとに培養したり、さらには遺伝子組み換えや薬品処理が行われたりすることも珍しくありません。 目的に特化した菌を安定的に量産することが可能になるので、確かに合理的ではありますが、本来の麹菌(国菌)とはかけ離れたものとなってしまっています。 また、その麹菌がどのようにつくられたのかはメーカーから公表されていることは少なく、最終的に消費者がそれらを手にする際に吟味することは難しいのが現状です。
おみそのいろは では、天然の麹菌こそが、古くから日本人の健康を支えてきた発酵食品のキーポイントであるという考えのもと、天然麹菌を用いたお味噌づくりを提供します。

お味噌づくりに使用する素材は自然栽培であることにこだわっています。
自然栽培とは農薬も肥料使わず栽培すること。 化学的あるいは動物的な成分の影響により発酵が阻害されることなく、なにより、ナチュラルでカラダにやさしいお味噌が出来上がります。

私たちが杉木桶を使うことにこだわる理由は2つです。 1.美味しくてカラダに良いお味噌になるから 2.杉木桶による発酵文化を継承したいから 微生物(菌)が棲みつきやすく、多孔質で気温の変化にも強い性質をもつ杉木桶は、本来、発酵調味料の醸造に欠かせない重要な材料の一つです。 杉木桶で醸すからこそ微生物が発酵を繰り返し、まろやかで味わい深く、そしてカラダにも良いお味噌ができあがるのです。 ところが現在では、木桶を使った天然醸造による発酵調味料の生産量は、全体のわずか1％以下となってしましました。 醸造用の木桶をつくる桶屋さんも残すところ一社のみとなってしまい、このままでは木桶による発酵文化が廃れてしまうのも時間の問題かもしれません。 自然素材であるが故に管理コストのかかる木桶とは対象的に、プラスティックや琺瑯、ステンレスなどの便利で衛生的な容器が登場したことが、衰退の大きな理由ですが、前述のとおり無機質な容器と木桶とでは発酵の質に雲泥の差があります。
私たちのお味噌づくり教室では、杉木桶を使った伝統的かつ美味しい製法を伝えながら、その文化を継承して参ります。ご用意している桶は、戦前から日本の発酵調味料の製造を支え続け、唯一現代まで存続している藤井製桶所さんの杉木桶です。

熱や添加物を加えることは一切せず、長期間発酵・熟成させることを天然醸造いいます。
これにより微生物が発酵を繰り返し、風味や旨味が増すだけでなく、「メラノイジン」という物質が生成されます。メラノイジンは抗酸化機能や腸整機能をもち、ガン予防などの驚くべき健康効果が認められている物質です。
またメラノイジンはお味噌の褐色色素のもとでもあります。 近頃は色が淡くて柔らかいお味噌が好まれる傾向にあったり、また一方で量産のために加温して発酵を促進させ、濃くしているものも見かけますが、私たちのお味噌づくりは、まろやかで深みのある美味しくカラダに良いお味噌づくりを追求した結果、天然醸造にこだわっています。